ご挨拶と自己紹介
仁瓦堂株式会社代表取締役仁平 義彦
1984年生まれ。建築設計の専門学校を卒業後、地元茨城の屋根施工会社へ就職。屋根瓦職人として7年間勤務。
- 2011年
2月に退職し独立。直後におきた東日本大震災をきっかけに瓦屋根の社寺仏閣で行う本格的な施工技術を身に着けたいと思うようになり、宮瓦のもとに8年間携わる。
- 2016年
瓦・造形展で「 」
- 2020年
神社仏閣の伝統施工の技術を一般家庭にも広めるため地元茨城を拠点とする活動を再開。
- 2022年
瓦・造形展で「現代華道・創生賞」受賞。
アート未来展で「新人賞」受賞。
- 2023年
仁瓦堂株式会社を設立。
- 実績
- 約住宅300棟の屋根施工、修理
- 鹿島神社 摂社(茨城県桜川市)
- 円長寺(茨城県行方市)
- 真徳寺(茨城県桜川市)
- 趣味
- フリークライミング
震災で落ちた多くの瓦をみて100年以上続く安心の屋根をつくりたいと思った
初めまして。
仁瓦堂株式会社代表の仁平 義彦です。
私は、瓦屋根職人、葺き師として7年間で約300棟の屋根の施工や修理に携わってきました。建築設計の専門学校を卒業後、屋根施工会社に就職し瓦屋根の仕事をしていましたが、とある現場でお寺の宮瓦を専門にしている職人と出会い、これが私の人生を変えました。
私はその瓦職人の瓦と屋根施工に対する考え方にとても感銘をうけたのですが、同時に、サラリーマンでやっていた自分の仕事に疑問を持ち始めるようになったのです。
何千年も前からあるお寺や神社の屋根瓦に携わっている職人の世界を垣間見、瓦の素材や本来の価値が、今の一般住宅の施工や建物そのものの中に活かされていない事実を知りました。
もっと自分の信念を軸にした仕事をしたい、と退職を決意し、独立した矢先、あの東日本大震災が起きたのでした。
地元の茨城県も大きなダメージを受け、多くの瓦屋根が落ち散々たる姿になっていました。
瓦屋根に知識のない人は「地震だから落ちたんだろう、仕方がない。」と、思われるかもしれませんが、専門家の立場から見れば、勿論、地震の規模の影響もありますが、施工の甘さから、本来、落ちなくてすむようなものまで落ちてしまった瓦がたくさんあり、そんな瓦屋根のお宅が多いことにも愕然としたのです。
何百年も続いているお寺や神社などの瓦屋根は、これまでの自然災害にも当然、耐え抜いてきているのです。
私は、施工のやり方次第で修理も頻繁に必要とせず、多少の地震でもそう簡単には落ちることのない耐久性のある瓦屋根ができるのに、と多くの瓦屋根の安全が損なわれていることに胸を痛め、震災後、社寺仏閣を専門にする会社へ8年間身を置き現場の中で伝統施工を学び腕を磨いてきました。
約2000年の歴史と日本の風土に最適な完成された瓦屋根の魅力
奈良の「元興寺」の瓦は現存する日本最古のものですが今から約1300年も前のものです。
私は、日々瓦に触れるうち、瓦屋根がお城や寺院のみならず、日本の住宅まで広く愛用されていった理由が次第にわかってきたのです。
瓦には断熱、遮音、調湿という機能があります。屋根に重ね並べて置いていくため、瓦と瓦の隙間部分に空気の層が出来上がり風通しがよくなります。これによって暑い日差しの日でも熱がこもるのを避けられます。
また、瓦の原料の粘土は、湿気や雨の水分を十分に吸収し粘土内で水分を保存し晴れた日に自然に乾燥していきます。そして粘土はその質量の大きさから音を遮断する特徴もあるのです。
亜熱帯気候の日本という湿気と降水量の多い風土に最適な自然と調和した素材であることを知ったときに、瓦のもつ完璧性に感動したのを覚えています。
瓦屋根は長い歴史の中で、手入れをしながらも、元興寺のように1300年以上もち、ほぼ半永久的に機能する完成された建築材です。
だから、私達、葺き師がするべきことは、先人から受け継いだその完璧性を保ち、瓦素材をその現場で最大限活かすこと、そして、丁寧で且つ、スピーディに仕上げるために、日々淡々と腕を磨くことが一番大事だと考えています。
「仁平が生きている間の永久保証」- 仁瓦堂がお客様に選んでいただける理由
お気づきのとおり、弊社仁瓦堂は他の大手メーカー様と比べて施工や修理費用が高めです。
その理由は材料や施工方法に違いがあるからなのですが、この費用差があっても、地元で懇意にしていただいている工務店様が「屋根瓦なら仁瓦堂さん」とお客様をご紹介してくださるのは、弊社がゆずれないこだわりをもっているからです。
私は仕事にたいして「誠実さ」を心掛けていますが、誠実さを辞書で調べると「我欲をまじえず、真心をもって対応すること」とあります。
ここでいう真心のこもった仕事とは、瓦のもつ本来の耐久性と美しさを保つことができる素材そのものの特長を最大限引き出すことと考えています。
だから、仁瓦堂では施工不備に関する保証を、他にはない「仁平が生きている間永久保証」と謳っています。
そしてこの保証は、暗に施工不備のない仕事をお約束するものなのです。
大抵の業者やメーカー保証は10年ほどですが、雨漏りなどの修理は施工から30年後くらいに最も起きやすいのです。
そもそも、本来、瓦が持つ素材を活かした施工を行えば、100年以上保つことができるのが瓦屋根、その仕事を実直に行えば通常は30年や50年で工事は必要ないはずなのです。
この事実を知っていることが仁瓦堂が堂々と「仁平が生きている間永久保証」をうたえる理由です。
贈りたいのは、安全と安心、そしてふとそこに感じる幸せ
ここまでお話してきましたが、実は、建築設計の専門学校に通っていた10代の頃は、将来何がやりたいかもわかっておらず、真剣に勉強しない学生でした。卒業するときに就職先が決まらない私に校長先生までが未来を案じて「いったい何が好きなんだい?」といってくれた質問に「高いところが好き」と答え、紹介してもらったのが、瓦屋根職人の仕事だったのです。
もともと、子供のころから工作が好きでした。自分が納得する完璧なものを作りたい性格で、納得いくものがつくれないと全部壊してしまうほどの気性で、これが今の自分のものづくり葺き師としてのあり方に繋がっています。
人生というのは面白いもので、ひょんなことから瓦屋根の職人、葺き師となったのですが、今では、その瓦に魅了され、瓦アートのコンテストに出展し賞まで頂けるようになりました。
私達は、普段の生活の中で瓦を意識することはありませんし、遠く離れないと見えないのが瓦屋根です。
私は、そんな瓦にアートという遊び心を仕掛けています。
本来、鬼瓦で仕上げるところを、とある農家さんの施工で七福神の大黒天様にさせていただいたことがあります。
豊さに守られることをお祈りして提案したのですが、ふと、空を見上げたときに、屋根の大黒天様が見える、この瞬間にふと笑みがこぼれ穏やかな気持ちになる、そんな日常の一瞬を瓦屋根でお届けできることも仁瓦堂だからこその仕事だと思っています。
100年以上続く瓦屋根でそこに住む人の安全な暮らしと笑顔、これを仁瓦堂は真心という葺き師スピリットで支えていきます。